『アート・文化・スポーツ』アクションパネル
アート・文化・スポーツ
[11/4]パネルディスカッション
◆誰のために誰にむけて活動しているのか(誰が享受するのか、誰のための価値)
菊川:あくまでベースはこどものための活動。その上でこどもをとりまく学校・家庭など地域社会全体が自分事として関わっていけるように(⇔文化・芸術サークルの内輪向けの文化・空気感、こどもの取り合い)
佐藤:私たちは私たちとしかいいようがないが、ラルシュは「なかま」が主導権を持つ場。不思議となかまから教えてもらえる力・価値をもっと社会に広まれば
鈴木:(グローバルノースの富裕層の投機対象になる可能性も往々にあるという問いかけにも対して)リアルな人とのコミュニケーションをしながら展開したい。社会包摂・社会問題とアートの関係についてはまず「劣悪な労働環境」の問題、食べていけないアーティストの生業の場の創成(その先の投機市場の危惧)、世界のマーケットで得た利益を地域に還元するサイクルも重要→産業の基盤の確立
松本:(地方の)地域づくりとアートを始めた際に、アーティストのアイデア、作品を通じた地域の苦しさの表象が明らかにすること・元気づけることの力。地域の(開発的な意味での)活性化だけでなく過去の掘り起こし。ただ、そのためには力がある作品ではないと波及効果を生み出せないという点も重要
輪島:アートという言葉・枠組みの便利さに対して、取りこぼされるものが存在。むしろアートという言葉をハックして、使い倒すことで変容される可能性
◆持続可能にしていくための戦略
松本:人間の営み全てがアートたりうる。ソフト面の活用によって様々な分野の活動がアートに(大地の芸術祭における農業・土木の活用)
鈴木:まさにアートを使い倒している側。どうやって社会・経済との接点を作っていくのかがプロデューサーの仕事。その際に元々考慮の外にあった地域性、政財界への着目(やればやるほどアートから離れていく)
佐藤:なかなか人が入ってこない福祉の分野に人を集めていくためにアートの創造性の力を活かしたい
菊川:被災地での支援から初めてゼロから始めて、はじめは日本でエル・システマが出来ないと思っていた←元々日本は音楽教育の環境に恵まれていた(学校教育+部活動+音楽教室)⇔「音楽を万人に」の原点にある思想(権利・尊厳、地域)の不在→強固なインフラ+エル・システマの思想による活動を強固に
◆相互質問
佐藤:社会福祉法人の運営の合間にバンド活動している後ろめたさ→創造性の重要性を(主に松本さんに)教えてもらって力強い
松本:世界的なラルシュの展開とかなの家の展開の間のズレをどうするか
→佐藤:日本らしさ・日本風のラルシュをさがして「ちんどんバンド」や「盆踊り」
→菊川:Inspireプログラムとしてのエル・システマというベースの上で、作曲教室などオリジナル展開をしていく中で、大人は「創造性が重要だ」というが学校教育が力を入れるような内容になってないところでエル・システマ・ジャパンの活動はその一助になっている様に感じている
鈴木:新しいビジネスモデル確立による自走化(豪州などでは大分進んでいる)→どうやって経営者としてやっていこうとしているのか
→佐藤:社会福祉法人としてもっと経営を考えないといけないが苦手。構造的に多くの「なかま」の人がきてくれるとお金(補助金や障害年金)が入るので、多くの人が来てくれるように価値を知ってもらうしかない。福祉の世界の人たちはお金の問題は苦手で、石けんなど色々創っているものをどうするかは考えたいし、教えてもらえたら
→菊川:一流の先生が来てくれる中で普通は成り立たない構造だが、自治体や団体と一緒に行う中で補助金や援助をもらって行えている。力をもらえる素晴らしいプログラムなんだと一人でも多くの人に伝えて支援の輪を広げるしかない
◆フロアから
朝日新聞:他者に関する寛容性の問題。松本さんの発表では日本は寛容性がいいと言っていたが、日本における外国人受入の問題とのギャップも感じたが、ホモジーニアスなコミュニティでの容性なのかどうか
→松本:初めて数字を見たときに驚いたが、同時に一度コミュニティの中に入った人には非常に高い寛容性を示している。その際に、一旦入るためのハードルの高さもある。ただ、だからこそ他人を思いやったり、察する力は日本の特性として世界に広めていける力でもあるだろう
今日の話題提供の中で「夢」という言葉がなかったが、前に進むには「夢(妄想)」が必要だと感じるがどうか
→輪島:懇親会で。ただ、みんなで見る「夢」は叶う(ジョン・レノン)もので、今日をきっかけに夢をみる輪を広げたい
論点まとめ
✔「人の営み」としての芸術の力:みんなが参加出来るアートの力をどう広げていくか+同時にアートの力をもたらしてくれる人々の暮らしを支えられる社会に
✔「アート」を身近に:いのちの力を「感じる」ためにもアートを身近に感じる様な試み・場の創出、価値をわかり易くする試み。伝統・歴史との接続という観点も
✔世界と地域、普遍性と特殊性:自分事化とも被る論点であり、より大きな創造力につながる厳選としての地域の文化・自然・歴史の力との接続→もう一度世界へ
✔「いのち≒生きること」のすばらしさ、力強さについてのメッセージ
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